くまの悪魔的な日常

思いつくままに、くまなく書き連ねる。

2018年を振り返る 勉強 〈後編〉

本エントリーでは、〈前編〉の続きを書いていこうと思います。

〈前編〉では去年から今年の9月にかけて、筆者が勉強面で取り組んだことや、その結果として現れた変化について、参考にした文献・情報を明記しながら詳しく書きました。〈後編〉では、10月から12月にかけて取り組んだこと、筆者の身に起こった変化について書いていこうと思います。また、筆者は現在、壁にぶち当たっている状態なので、それについても書いていこうと思います。

 

10月~12月

 秋学期では、筆者がそれまでに抱いた関心に沿って、いくつか新しい試みに挑んでみました。

 

  • 留学生向けの科目を受講した。*1

 もちろん、授業は全部英語です。中級ミクロの続きと、法学部門における経済学の応用についての科目とを受講しました。Hal Varian*2の世界的で広く使われている中級ミクロの教科書と、Robert Cooter*3の無料公開されている教科書を使っています。

Intermediate Microeconomics: A Modern Approach

Intermediate Microeconomics: A Modern Approach

 

scholarship.law.berkeley.edu

 

留学生向けの授業は受講者数が少ない分、問題演習やフィードバックに時間が重点的に充てられ、普通の授業とは一味違った雰囲気です。筆者は相変わらず成績が良いわけではないので近いうちにするつもりはないですが、海外留学の空気感を味わえます。

 

  • 数学系の授業をいくつか履修した。

 線形代数解析学についての授業を単位非算入科目として履修しました。数学を本格的に勉強するのは高校2年時以来でした。*4授業の内容をその場で理解することは可能なのですが、演習問題を解くにあたっては未だに苦労が多いです。補助教材として、以下の二冊が役に立っています。

 

1冊でマスター 大学の線形代数

1冊でマスター 大学の線形代数

 
1冊でマスター 大学の微分積分

1冊でマスター 大学の微分積分

 

 

  • Rを本格的に用いる授業を履修した。

 プログラミング言語を本格的に習う授業を履修するのはこれが初めてでした。Rは統計的な分析に強い言語あり、この授業ではRで統計的推定・仮説検定や単回帰分析・重回帰分析・ロジスティック回帰分析を行う方法を学びました。以下の教材を用いて勉強を進めています。

Rによる計量政治学

Rによる計量政治学

 

ハンズオン形式で非常に楽しい授業ではあるのですが、どうしてもRの操作の説明に時間が取られてしまい、理論的説明が手薄になってしまいがちなので、以下の書籍で理解を深めていこうと思います。

統計学

統計学

 
ビッグデータ統計解析入門 経済学部/経営学部で学ばない統計学

ビッグデータ統計解析入門 経済学部/経営学部で学ばない統計学

 

 

 ここまでの試みは大変ではありましたが、新しい経験ができて視野が広まり、知識以外の面でも勉強になることが多かったです。しかし、ここにきて、勉強を進めていく上で様々な困難が生じてきました。

 

勉強するうえでの困難

  • 精神的問題

 当然、筆者の人生は勉強に限りません。色々と問題は出てきます。人間関係がうまくいかないと学業にも支障が生じるようになってしまい、11月から12月にかけてはその問題で頭がいっぱいになってしまいました。もともと繊細で内向的な性分ではあるのですが*5、勉強のことで長い期間気を張っていたのと、人間関係上の問題が重なってしまって、完全に心が折れてしまいました。回復にどれほど時間がかかるかは見通しがつかないです。すべてを投げ出してしまいたくなります。以下のサイトが参考になります。

kiraku-infomation.com

 

  • アウトプットが苦手

 個人的に、教科書を読んだり授業を聴いたりして知識を仕入れる(インプット)のは好きで比較的得意なのですが、いざテストで問題を解く(アウトプット)となると極端に苦戦します。自然言語にもとづいて概念化される学問分野(数理・計量以外の政治学、心理学、言語学など)についての問題や論述形式の問題には対応できるのですが、数式を操る問題となると全くうまくいきません。どうすれば対処できるのかも分からない。まずは教科書の演習問題とじっくり付き合うしかないのでしょうか。

 

  • 高すぎるハードル

 上のサイトにある、hspの症状の一つなのですが、筆者は自らに高すぎるハードルや重すぎる負荷を課してしまう癖があるようです。それがうまくいくケースもあれば、いかないケースもありますが、現在はうまくいっていない気がします。少しは荷を降ろして、動きやすい状態にした方がいいのでしょうか。所謂、「ADHD」的な傾向がある人に憧れます。筆者は「多動」どころか、高すぎるハードルのせいで、まるで動けない状態に置かれてしまってます。perfectを目指すあまり、doneが疎かになってしまうのです。

 

  • 時間的制約

 学部3年生がキャリアの転換点である、という話を色んな人から聞きました。そこまで残された時間はたったの3か月です。正直、キャリアの転換点を迎えるにはまだまだ知識も勉強量も足りないし、それに加えて進路選択という重いタスクが降りかかってくると、焦燥感でつぶれてしまいそうです。一度休学をして、自らが何を求めているのかを時間をかけて探した方が良い気さえしています。決断を先延ばしにするのはいけないことなのでしょうか…。

 

まとめ & 来年に向けて

 以上、〈前編〉から〈後編〉にかけて、今年、筆者が勉強について取り組んできたこと、及び現在抱えている精神的な困難について書き連ねました。こうして自らの取り組みを言語化すると、「自分、本当に頑張ったな…」と実感します。人よりも物事を進めるスピードは遅く、心は打たれ弱いので、ここまで辿り着くのに本当に苦労しました。筆者よりも遥か先を進んでいる人は、どうしてこの投稿に書いてある程度のことでそこまで苦労するのか分からないかもしれません。しかし、筆者が現在取り組んでいることは、自らにとって未知なる領域への挑戦です。数理的な体系を学ぶことで、世界の新たな相貌を発見したいのです。したがって、人よりも時間がかかってしまうのは仕方がないと思います。今年は苦しい想いをすることがあまりに多かったので、来年からはもう少し自分に優しくしようと思います。深く考え込まずに、やりたいことをやりたいときにやれる環境づくりを大事にしようと思います。そのためには幾つか犠牲にしないといけないこともあるでしょう。それを甘んじて受け入れたうえで、どこまで自分を変えられるか、世界の見方を刷新することができるかが、来年は楽しみです。

 

また長くなってしまった…。

ご一読いただき、ありがとうございました。

よいお年を。

 

 

 

*1:弊学部では、学部生が必ず受験するTOEFLで高得点を取ると、留学生向けの科目を履修し、その科目で獲得した単位を第一外国語(英語)の区分として組み込むことができるという制度があります。

*2:ミクロ経済学と情報経済学を専門としている経済学者。Google社のチーフ・エコノミストHal Varian - Wikipedia

*3:私法・憲法と経済学を専門としている法学者。カリフォルニア大学バークレー校の教授。Robert Cooter - Wikipedia

*4:一応、学部1年の秋に経済数学入門という科目で勉強してはいましたが、興味が湧かなかったので力は入れていなかった…。

*5:こういった症状をhsp(highly sensitive person)と呼ぶらしいです。この書籍を読んである程度の対策を立てていくつもりです。鈍感な世界に生きる 敏感な人たち